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2005.02.28

アウトソーシングとインソーシング

崩壊するアウトソーシング : IT Pro ITレポート(動向/解説)

昨年9月15日、世界のIT業界に衝撃が走った。米銀2位のJPモルガン・チェースが、米IBMと結んでいた巨大アウトソーシング契約を解消するとのニュースが流れたからだ。2002年12月の契約締結時、IT業界の話題をさらった7年間50億ドル(5250億円)の超大型案件は、わずか1年9カ月で破談に至った。JPモルガンは今後、企画・開発から保守・運用に至る全IT業務を社内でまかなうインソーシング(自前主義)に完全回帰する。

「崩壊するアウトソーシング」とはショッキングなタイトルだが、個人的には当たり前のことがおきているとしか思えない。完全自前(インソーシング)と完全委託(アウトソーシング)の中間はないのか?と思わずケチをつけたくなる記事だが、「アウトソーシング万能」といっているベンダにとっては、大きな波の揺り返しの第1波かもしれない。

業績の回復に伴って、現場から新規のシステム化案件がどんどん出てくるのに、アウトソーシング先のベンダーはなかなか動いてくれない」といった愚痴ばかり。「アウトソーシング費用の内訳をいっさい知らされない現状では、ベンダーへの支払い額が妥当かどうか検証できない」、「最初はよくやってくれていたが、担当者が代わったら、契約を盾に融通をきかせてくれなくなった。アウトソーシング前よりサービスレベルは低下した」といった不満の声も数多い。そこにはアウトソーシング契約の締結当初に期待した“ばら色の未来”は存在しない。

いくつか象徴的な言葉をピックアップしてコメント。

●新規のシステム化案件がどんどん出てくるのに、アウトソーシング先のベンダーはなかなか動いてくれない

動きたくても動けないのだ。そもそも安定運用と新規案件といのはどうしても相反する利害を生む事象だ。ベンダ側の体制もさることながら、ユーザ側にもベンダを動かすテクニックが求められる。

●アウトソーシング費用の内訳をいっさい知らされない

知らせたくないベンダの事情がそこにはある。アウトソーシングは所詮、ハードソフトの内部調達と運用の効率化により利益を生み出す商売だ。手の内を知られること=ぎりぎりまでコスト削減を要求されることになる。

●ベンダーへの支払い額が妥当かどうか検証できない

これを言った担当や経営者の顔が見てみたい。ではどうして契約したのか?
支払い額が妥当でない契約を推進した本人と捺印者はどこにいったのか?サービスの規模が大きくなったり、複雑化することにより、「以前自社でかかっていたコストにくらべたら○%削減できる」という魔法の言葉がなくなるのだ。

●担当者が代わったら、契約を盾に融通をきかせてくれなくなった。

ベンダのエースは新規案件に優先にアサインされる。ユーザ側はセカンド、サードがきても大丈夫なように契約を考えておくべきだ。今後契約はよりユーザに不利になる傾向が続くだろう。

●アウトソーシング前よりサービスレベルは低下した

サービスレベルというと数値化された指標に基づいた判断と思われるが上記の場合大体が感覚。だからして、担当者の変更や、エンジニアの何気ない1つのメールでの回答が問題視されることも多い。
またベンダの営業と顧客の間でSLAという指標について具体的にやりとりされることは一部を除き、非常に少ない。

どちらにしても振り子は大きく戻りはじめるかも知れない。その戻りに対する準備をきちんとしたサービスプロバイダが生き残ると思う。

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コメント

相変わらずブラックボックスなソフトウェアの世界がこのような状況を生み出しているのだと思います。これからは、ソフトウェアをより可視化して、本当の意味での付加価値サービスでアウトソーシングも勝負する世界へと移行するべきなのでしょう。

投稿: e-Tetsu | 2005.03.01 00:07

うまくそうだった<∋‐∈>

投稿: 無し | 2005.03.01 11:09

日経コンピュータに掲載された詳細記事を読んだ。「他人任せに未来はない」と副題も衝撃的だ。コアコンピタンスに注力すべきと言って、アウトソーシングを奨励したのも日経コンピュータだったと思う。(確認はしてません)

どうしても右が左かという書き方しかできないのでしょうか?「ブラックボックス」「明細がでない」などの状況はアウトソーシング興隆期から当たり前の事実だったと思う。

アウトソーシングは万能ではないのに、万能と世に説いた雑誌の責任は重いと思う。

投稿: すぎじい | 2005.03.04 12:47

「派遣切り」・「2009年問題」・「雇用対策」は何処へ
◆急務は「現在の雇用」
政治(与野党共)もマスコミもジャーナリストも、皆大変だと言葉だけの心配に留まっているように思われます。と言うのは、「労働者派遣法改正案」は見直し審議待ちの足踏み状態で進展しておらず、その先が見えないため、「派遣切り」に歯止めがかかりません。「派遣切り」を加速させている要因は、政府及び厚生労働省の不十分な対応にあるということを理解しているのか疑いたくなります。いったい「雇用対策」はどこへ行ってしまったのでしょうか?とくに製造派遣の「抵触日(3月1日)」が過ぎてしまった現在のわが国において、最重要視されるべき課題はまさに「雇用対策」です。「雇用対策」ができれば、わが国の景気の底支えは可能です。雇用が底支えできれば、将来に対する不安も緩和されます。何といっても一番は「現在の雇用」です。数年先の雇用対策では意味がありません。
◆救済手立ては「雇用創出プラン(福祉雇用)」!
詳細は下記のブログをご参照下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
 http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/

投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009.03.14 23:51

雇用創出プラン(福祉雇用)の提言
◆本当に「雇用のミスマッチ」なのか
世界同時不況による異常な雇用危機に対し、地方自治体が実施しているのは2~3ヶ月間の臨時短期雇用のため、期限到来で終了してしまいます。次の一手をどのように考えているのでしょうか。実際のところ、政府や厚生労働省は掛け声だけで地方自治体に一任(丸投げ)です。マスコミやエコノミストは、人材が不足している「介護・農業・林業」分野に人材をシフトすべきと、ひたすら「雇用のミスマッチ」を訴えています。しかし、この雇用危機に対して、一体誰が真剣に考えているのか疑わざるを得ず、製造業に従事している非正規労働者の生活を真剣に心配しているとは思えません。
雇用創出プランは下記のブログにてご確認下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
 http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/

投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009.03.14 23:52

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「セXムしてますか?」じゃないですが、日本の企業においてはまだ SLAを導入しているのは3割程だそうです。 またまた言葉の定義からですが、 SLAとは、(日本においては)これまで「包括契約」と称してドンブリ 勘定だった主にシステム運用・保守業務を「サービス」という単位 で再定義し、そのサービスの評価指標と達成目標(サービスレベル) を合意(アグリーメント)するものです。 ◎SLAが求められる背景 ・委託者側�... [続きを読む]

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